林田学「家電業界に学ぶPLの実務対策」読後感


林田学さんはPL法立法のための委員会委員もされたそうで沢山PL法の本を出しています。この本、林田学「家電業界に学ぶPLの実務対策」(中経出版)はそんな林田学さんが1番最初に出したPLの本です。
そのはしがきで林田学さんはこう述べています。

「いよいよPL法が、1995年7月1日からスタートすることになった。PL問題には、PL法の条文のみならず、生産管理、クレーム処理、広報、保険といったさまざまな事柄が絡んでくるが、本書はこうした種々の問題に対する情報提供を行うことを目的としている。92年の秋、国民生活審議会からPL法に関する答申が出る予定であったが、まとまらず結局1年間先送りされ、改めて出直すことになった。
通産省はその時点で製品安全協会と連携し、出直しの第一歩として紛争処理制度調査委員会を組織した。私とPL法のつきあいは、私がその委員に任命された時から始まった。私はそこにおいて、PL法が消費生活全般に大きな影響を及ぼしうることを知って深く興味を覚えるとともに、この問題は、法律、ビジネス、生産、コミュニケーション等々に及ぶ奥行きの深い問題であることを認識し、この問題を扱うには研究室で文献を読むだけでなく、どんどん現場に出て行く必要があることを痛感した。そこで、早速有能なスタッフを雇い入れて自らの研究・調査態勢を組織化するとともに、現場回りを始めたのであった。

企業、業界団体、損害保険会社、研究所などさまざまな現場を訪ね、いろいろな方々からお話をうかがった。なかでも、財団法人家電製品協会の方々とは、会員企業向けのPLセミナーから始まり、ADR(裁判外紛争処理)報告書の作成等を通しておおいに親交を深めさせていただき、またたくさんのご教示をいただいた。本書のタイトルの由来はそこにある。本書の第1章と第2章では、アメリカのPL事情を解説した。この中には、文献から取り上げた情報もあるが、多くは私が実際にアメリカで現場を回り、そこで収集した情報である。アメリカでは、最近紛争解決をビジネスとする会社が台頭しているが、私がその中の一つのジャムスという会社を訪ねたときにたまたま待合室で隣に座った弁護士から昭和電工のL−トリプトファンの事件がほとんどそこにおいて解決されようとしていることを知りえたのも、こうした現場回りの賜物である。
第3章では、家電業界を中心に各業界や企業のPL対策を紹介した。ここでは活字にできないような情報も多々あり、やむなく新聞情報の表現に委ねているところもあるが、実際に日本の企業がPL法にどのような対策で臨んでいるかがわかる。第4章では、各企業がとるべきPL対策を総括的に述べた。PL対策は最終的には個々の企業によって異なるため、ここでは共通項を解説した。そして、第5章ではPL法の解釈をQ&Aスタイルで示した。」

ここからわかるようにこの本は林田学さんのフィールドワークを元に書かれた本です。林田学さんの行動力がよく現れた本だと思います。